Sunny北加の日記

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2016年
10月18日
09:25

イマチニブ耐性は既存の二次変異が原因 耐性 [3]

下はM. Symcox博士に先月個人的メールで紹介されたサイトです。
”Why tyrosine kinase inhibitor resistance is common in advanced GIST”
「どうしてチロシンキナーゼ阻害剤耐は進行したGISTにおいて一般的に起こるのなのだろうか」
https://f1000research.com/articles/2-152/v1

この2013年の文献は、GISTの二次変異発生可能性の生物学的な基礎数式がGIST臨床結果とよく合致すると書かれています。Tomasetti氏は生物統計学者。第二著者、Dr. G. DemetriはHarvard大学、Dana Farber癌研究所病院のGIST治療貢献に顕著なサーコマ医です。

このリポートの部分的な翻訳と注目すべき、または顕著な文章を箇条書きにしました。

方法、結果:臨床と実験観察を組み合わせた数式を用い、進行したGISTの遺伝子変化は疾患診断時点に既存する(二次)変異が(イマチニブ)耐性に関わる原因であると推定できる。
結論:この結果は、併用療法(カクテル治療薬)に関連する臨床的な意義がある。

1.少数の遺伝子変異が原因のGISTは、キナーゼ主導型固形腫瘍のパラダイムの代表であり、がんに関する基本的な研究課題に光を当てるベストなモデルとなり、よりゲノム的に複雑な固形腫瘍の重要な理解を提供しています。(コメント:GISTは比較的に単純だから、希少だが治療研究が先行的に発展されている主な理由でしょう。)

2.イマチニブは外科的に治らないGISTの第一線治療薬です。しかしイマチニブは進行したGISTは治せない。イマチニブ治療を受けた患者の大多数は一次耐性(治療6カ月以内の疾患の進行)の兆候を示さないが、イマチニブの二次耐性は、治療の2年後に少なくとも半分の患者に現れ、7 年後に80%の患者に現れる。

3.イマチニブはCML患者の劇的な改善につながっている。CML患者の6年目のイベント無しの生存率は83%で、93%が進行から逃れている。重要なのは、CMLの二次耐性が非常に少ない事です。

このリポートは二つの基本的かつ臨床的に関連する未回答の課題 「なぜ進行したGISTはしばしば再発するのか、そして二次耐性は治療前またはTKI治療中に起こるか?」に答えます。

この文献の基本は 腫瘍サイズ(細胞の数)を変数として(腫瘍が) 耐性変異を有する確率を算出する数式です。係数などを日本語で説明しこの数式を添付しました。一見複雑と見える数式はリポートのFigure 1で見られるように、ゆるく斜めになったS字に見える比較的簡単なカーブです。このグラフ形をExcelで再生し読み易くと縦、横線をいれ日本語のタイトルも入れた画像を添付しました。ただ、このグラフの変数は数式に使われている細胞数ではなく細胞径、cmです。
(コメント:このグラフによるとマイクロGISTの領域(>1㎝)を超えるとほとんど直線的に腫瘍径に比例し耐性変異を有する確率が上昇しています。腫瘍径が6㎝を超えるとほとんど100%近くの確立で耐性変異が起こっていると推測されます。)

結果:この数式は大腸がんのEGFR抵抗性獲得の予想に成功しました。たとへばGISTが見つかった時点で2㎝直径のGIST腫瘍が耐性変異体を保有する確率は0.12(12%)、そして6㎝になれば0.97 (97%)になると推定される。

数学的推定値をGISTの実験および臨床データと参照した。進展したGIST患者の二次耐性は検出時の大きな腫瘍サイズに起因すると解ります。つまり、この数学的な推定値は、二次耐性の原因である二次変異は既にTKI(イマチニブ)治療前に存在していたことを示唆する。大きな腫瘍サイズは進展したGIST患者の高い再発率を説明する重要な要因であることを示している。

デイスカッション: 最近 (2011年)、二次耐性はイマチニブ治療前の変異ではなく、治療による結果だと示唆されています。これはさらに検討する価値があります。従来のサンガー配列決定技術(PCR) を用いた検出では(非常に少数な)二次変異は、通常発見されません。これらの技術は稀なイベントに対して敏感でありません。(途中省略)したがって、変異体がほとんど検出発見されていないという事実は、ごく少量の変異が治療の前に起っていたとの可能性と矛盾しません。

この数式を使い、我々は直径2cmのGIST に10^8個の腫瘍細胞のうちイマチニブ耐性を示す変異がわずか約一個の率で存在すると推定しています。最も重要なのは、イマチニブ耐性を示す変異が治療中に生じるかもしれないが、ランダム的なポイント変異が、イマチニブ治療前に発生する可能性があることを排除するものではありません。治療の開始前に発生した耐性変異体の推定数は、観測された臨床データを説明するのに十分であることを示しています。(以下省略)

我々の結果が確認された場合、重要な臨床的意義を持つでしょう。TKIの組み合わせを用いた治療は、薬物の各原因耐性により打撃されたそれらの細胞を選択するであろう。TKI剤組み合わせ療法は大幅にポイント変異によって引き起こされる薬剤耐性の発生を減らすことができるでしょう。

私のコメント: 4年ほど前にGSIの主催のDana Farber病院のGIST治療医Dr. Wagnerのヴィデオサイトを紹介しました。彼の説得力がある、グリベック耐性はGIST腫瘍が見つかった時点で既存(pre-exist)する二次変異が発展したものだ - との話はG.netにポストしました。このGSIのヴィデオは今でも見られます。でも1時間以上と長いです。http://www.gistsupport.org/videosGSI2012/Wagner.html 
(ちょうど1:00時間の時点である患者さんの質問の答えの中に明確に言われています。)
このDr. Wagnerのヴィデオサイトの件は掲示版「グリベックの耐性 」Sunny北加 - 2015/でhttp://bbs4.sekkaku.net/bbs/?id=gist&mode=res&log=7267の下でまだ残っています。

このリポートのまとめはGIST腫瘍内の二次変異が発生している下限可能性は腫瘍径2㎝で12%、6㎝になるともう97%まで上がっているとの数式です。この数式の裏は腫瘍径が小さいと二次変異が起こっていない、もしかしたら起こらない可能性が高い事です。イマチニブを確り呑み続けることにより、腫瘍の更なる増殖を抑え、がん化した細胞の不安定なクローニングエラーによる第二、第三の変異を起こさないことだと思います。

私見として、このリポートには二次変異発生の可能性はMitotic rate, 細胞分裂頻度にも多いに影響される事が書かれていない事です。

このリポートが説得する一番重要な指摘はGIST腫瘍だとの診断時の極少量の二次変異は一般的なPCR法では検出できないこと です。

変わるかもしれませんが、次回はどうして極少量の二次変異は一般的なPCR法では検出できないのかーと調べた結果を報告したいと思っています。

今年は南加からもってきた紫式部がきれいに実りました。
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